
ガリガリ痩せ型体質の人が、筋肥大して細マッチョ体型になるために自宅で行う筋トレメニューを解説するとともに、現在の体型に応じて最適な負荷回数の決め方、具体的な一週間の筋トレプログラムの組み方と食事のポイントをご紹介します。
本記事では、実際に執筆者運営ジムの会員メンバー(痩せ体型)がバルクアップした経験に基づき、手軽な方法=自重トレーニングで追い込み、チューブトレーニングで仕上げるプログラムをご紹介します。
■痩せ型体質とは?

痩せ型体質の判断基準は、一般的に身長と体重の関係を数値化したBMI指数に基づいており、この数値が20以下だと「ガリガリ痩せ型」と言えます。
なお、BMI指数は以下の計算式で算出できます。
BMI=体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)
まずは、一度計算してみてください。
■ガリガリ痩せから細マッチョになる2つの手段

執筆者運営ジムにもガリガリ痩せから筋肉をつけたいと入会する方はいますが、実際に二つのことをアドバイスします。
そして、そのアドバイスを守った方は、半年から一年で目に見えて筋肉がつきはじめ、体重も5kgほどは増加していきます。
その二つの手段とは以下のものです。
①筋肥大する筋繊維をターゲットに、適切な筋力トレーニングを週に2~3回ペースで行う。
②筋肉の材料となるタンパク質だけでなく、筋肉合成カロリーをしっかりと摂取する。
この二つの手段をもう少し詳しく解説していきます。
■筋肥大する筋繊維と適切な負荷回数設定

筋肉を構成している筋繊維には主に三種類があり、それは、筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)、筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)、筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)で、それぞれの特徴と鍛えるのに適切な反復回数は以下の通りです。
●筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)
収縮が速く(Fast)、グリコーゲン(Glycogen)を消費する速筋で、FG筋とも呼ばれます。30秒以内の瞬発的な動作で爆発的に収縮し、鍛えると強く筋肥大します。筋肥大バルクアップ筋トレのターゲットとなる筋繊維で、10回前後の反復回数で限界がくるような高負荷設定でトレーニングします。●筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)
収縮が比較的速く(Fast)、酸素(Oxygen)と脂肪酸を消費する速筋で、FO筋とも呼ばれます。60秒以内の持久要素のある瞬発的な動作で収縮し、鍛えるとある程度の筋肥大が起こります。細マッチョ筋トレや女性の部分ボリュームアップのターゲットとなる筋繊維で、15回前後の反復回数で限界がくる中負荷設定でトレーニングします。●筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)
収縮が比較的遅く(Slow)、酸素(Oxygen)と脂肪酸を消費する遅筋で、SO筋とも呼ばれます。60秒以上の持久的な動作で持続的に収縮し、鍛えると筋密度が向上し引き締まります。引き締めダイエット筋トレのターゲットとなる筋繊維で、20回以上の反復回数で限界がくる低負荷設定でトレーニングします。つまり、筋肉をつけていくためには、強く筋肥大する筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)をターゲットにして鍛えることになり、10回前後の反復回数で限界がくるような高負荷設定でセットをこなしていきます。
■筋肥大するための食事方法

筋肉を確実に大きくするためには、その材料となるタンパク質の摂取(一日体重1kgあたり3gの純タンパク質)が必須です。
1gの純タンパク質は肉類換算でおよそ5gですので、体重70kgの場合、70×3×5≒1000g=1kgの肉類を毎日食べなくてはいけません。
また、タンパク質だけでは栄養素が不足しており、摂取したタンパク質を筋肉に合成するための「筋肉合成カロリー」がタンパク質の約2倍は必要です。
純タンパク質の1gカロリーは4kcalですので、肉類1kg相当の純タンパク質200gのカロリーは800kcalとなります。つまり、肉類に炭水化物などを追加して、合計2400kcalの食事が毎日の最低ラインになります。
■筋肥大筋トレに最適な部位分割
●上半身の押す筋肉・上半身の引く筋肉・下半身の筋肉

バルクアップするための筋トレは、ダイエット目的の筋トレとは違い、非常に高い負荷が筋肉にかかります。十分に休養期間をとり、筋肉をしっかりと超回復させながらトレーニングを行っていくことが必須です。
また、高重量トレーニングで負担がかかるのは筋肉だけでなく、さらに回復の遅い関節や靭帯にも負担がかかります。ですので、通常の筋トレよりも「頑張って休養する」くらいの感覚で身体を休ませる必要があります。
このために最適なのが、全身の筋肉を3つに分割し、ローテーションで一週間をかけてトレーニングしていく部位分割法(スプリットトレーニング)ですが、詳しくは後述します。
具体的な部位分割方法は、全身の筋肉を「上半身の押す筋肉」「上半身の引く筋肉」「下半身の筋肉」の3つに分け、それぞれ週1回ずつ、週に3回のスプリットでトレーニングしていく方法です。
各グループの筋肉部位は以下の通りになります。
○上半身の押す筋肉
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋
○上半身の引く筋肉
広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋
○下半身の筋肉
大腿四頭筋・ハムストリングス
そして、上半身のトレーングが連続しないように、以下のように一週間のプログラムを組みます。
①週1回目のトレーニング
上半身の押す筋肉:大胸筋・三角筋・上腕三頭筋
②週2回目のトレーニング
下半身の筋肉:大腿四頭筋・ハムストリングス
③週3回目のトレーニング
上半身の引く筋肉:広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋
■筋肉部位ごとのガリガリ→細マッチョ筋トレ

一般的にイメージされる、いわゆる細マッチョ体型とは、胸まわりにはしっかりと筋肉がつき、腹筋が割れており、あまり逆三角形体型になりすぎず、腕は程よく太く、脚は引き締まっている、というものです。
ですので、最終的な細マッチョ体型のボディーデザインと各筋肉部位の鍛え方・ターゲット筋繊維は以下のようになります。
大胸筋:筋繊維TYPE2b
三角筋:筋繊維TYPE2a
上腕三頭筋:筋繊維TYPE2a
背筋群:筋繊維TYPE2a
上腕二頭筋:筋繊維TYPE2b
腹筋群:筋繊維TYPE1
下半身:筋繊維TYPE1
※筋繊維TYPE2b(10回前後の反復)|筋繊維TYPE2a(15回前後の反復)|筋繊維TYPE1(20回以上の反復)
▼さらに詳しい筋肉の構造と作用
【筋肉部位名称スマホ完全図鑑】胸・背中・腕・腹・下半身・インナーマッスルの名前と鍛え方
それでは、次の項目からは、自重トレーニングで身体・筋肉を鍛えていくメリット・デメリットについて解説していきます。
■自重トレーニングのメリット・デメリット

①安価にトレーニングを始められる
まず、自重トレーニングには基本的に器具が必要ありません(補助器具を使うと効率的にできますが)。このため、器具類を購入・準備することなく安価にトレーニングを始めることができます。
②いつでどこでもトレーニングができる
自重トレーニングは器具を必要としないので、いつでもどこでも行うことができます。会社や学校の昼休みにトレーニングすることも可能ですので、「鍛えたい」という気持ちのタイミングを逃さずに取り組むことができるの大きなメリットです。●自重トレーニングで鍛えるデメリット

複合関節運動(コンパウンド種目)しかない
自重トレニングには複数の筋肉と関節を同時に動かす「複合関節運動」=「コンパウンド種目」しかありません、具体的には腕立て伏せの場合、肩関節と肘関節を動かし、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋を同時に動かすことになります。
このため、「大胸筋だけ集中的に鍛える」といった、個別の筋肉を集中的にトレーニングできないというデメリットがあります。
●自重トレーニングのデメリットを補う方法
・チューブを使って単関節運動(アイソレーション種目)で追い込み筋トレを行う

自重トレーニングの最大のデメリットは単一の筋肉を集中的に鍛える単関節運動(アイソレーション種目)がないことです。
ですので、まずは自重トレーニングの複合関節運動で全体的に筋肉を鍛え、その後、図に示したようなトレーニングチューブを使った単関節運動で、追い込み・仕上げトレーニングを行うのが理想です。
■大胸筋の自宅ガリガリ→細マッチョ筋トレ
●膝つき腕立て伏せ

膝つき腕立て伏せは、腕立て伏せができない初心者の方におすすめの低強度バリエーションです。
膝つき腕立て伏せは、うつ伏せになり膝と手をついて構えます。手幅は肩幅よりやや広くし、手をついたら背すじを伸ばし肩甲骨を寄せます。
肩甲骨の寄せ方が甘いと肩から初動することになり、大胸筋に負荷が届きにくいだけでなく、肩関節に負担がかかってしまいますので、セット中は常に肩甲骨を寄せたままで動作を行ってください。
●チューブチェストフライ

チューブチェストフライは大胸筋の内側に集中的な効果があり、胸トレーニングの仕上げにおすすめな種目です。
チューブチェストフライは、両手でトレーニングチューブをグリップし、大きく腕を開いて構えます。
そこから腕を閉じていきますが、肩甲骨をしっかりと寄せることが重要で、肩甲骨の寄せ方が甘いと肩から初動することになり、三角筋に負荷が分散してしまいます。
セット中は常に肩甲骨を寄せた状態を保ってください。
腕を胸の前で閉じたら、そこから腕を少し前に押し出すとともに顎を引いて大胸筋内側を完全収縮させます。
また、本種目は腕を閉じる時のコンセントリック収縮(短縮性収縮)だけでなく、腕を開いて元に戻る時にもゆっくりとした動作で大胸筋にエキセントリック収縮(伸長性収縮)を加えることが大切です。
なお、本種目は腕を閉じる角度によっていくつかのバリエーションがあります。それぞれの種目名と特徴は以下の通りになります。
◯インクラインチューブチェストフライ
斜め上方に腕を閉じる軌道で行うバリエーションで、大胸筋上部内側に有効です。
◯デクラインチューブチェストフライ
斜め下方に腕を閉じる軌道で行うバリエーションで、大胸筋下部内側に有効です。
◯クロスオーバーチューブチェストフライ
トレーニングチューブをグリップした手と反対側まで深く腕を閉じるバリエーションで大胸筋内側に非常に強い負荷がかかります。
【正しいやり方と手順】
①トレーニングチューブをグリップして構える
②肩甲骨を寄せて腕を閉じていく
③腕を閉じたら、さらに手を前方に突き出すとともに顎を引いて大胸筋内側を完全収縮させる
④ゆっくりとエキセントリック収縮をかけながら元に戻る
■三角筋の自宅ガリガリ→細マッチョ筋トレ
●パイクプッシュアップ

パイクプッシュアップは、大きく腰を曲げて斜め後ろに身体を押し上げる腕立て伏せのバリエーションです。
パイクプッシュアップは、うつ伏せになり、肩幅より広く手幅をとり、腰を大きく曲げて構えます。
そこから、斜め前に身体を下ろし、身体を下ろしきったら腕を伸ばして身体を斜め後ろに押し上げていきます。
この時に、肩甲骨を寄せておくことが大切で、肩甲骨の寄せ方が甘いと肩関節に強い負荷がかかりますので注意してください。
また、身体を押し上げる時に、肘が身体の背面側に入らないようにすることも重要です。肘が後ろに入ってしまうと、肩関節に開き負荷がかかりますので、あまり上半身を反らせすぎず、常に肘が身体の前側にあるように動作しましょう。
なお、負荷が足らない場合は、足を台などの上に乗せることで負荷強度を上げることが可能です。
【正しいやり方と手順】
①うつ伏せになり、肩幅より広く手幅をとり、腰を大きく曲げて構える
②肩甲骨を寄せて身体を斜め前に下ろす
③肘が身体の背面に入らないように気をつけ、身体を斜め後ろに押し上げる
●チューブアップライトロー

チューブアップライトローは、効かせるのが難しい三角筋種目のなかでは、比較的動作が簡単なゴムバンド筋トレです。
チューブアップライトローは、トレーニングチューブの中央部を足で踏み、反対側を狭めた手幅でグリップして構えます。
構えたら、肘を先行させて手を顎まで引き上げますが、この時に肩甲骨を寄せないようにしてください。肩甲骨を寄せると、負荷の多くが僧帽筋に分散してしまいますので、必ず肩甲骨はそのままで動作します。
手を顎まで引き上げたら、同じ軌道で元に戻りますが、本種目は手を引き上げる時のコンセントリック収縮(短縮性収縮)で三角筋の前部と中部に、ゴムの張力に耐えながら腕を下ろす時のエキセントリック収縮(伸長性収縮)で三角筋後部に負荷がかかりますので、下ろす時もゆっくりと効かせながら動作してください。
【正しいやり方と手順】
①トレーニングチューブの中央部を足で踏み、反対側を狭めた手幅でグリップして構える
②肩甲骨を寄せないように、肘を先行させて手を顎まで引き上げる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
■上腕三頭筋の自宅ガリガリ→細マッチョ筋トレ
●ベンチディップス

ベンチディプスは、自宅で机や椅子を流用して上腕三頭筋を鍛えられる種目です。
ベンチディップは、足を台などの上に置き、手を身体の後ろ側について構えます。手幅はあまり広いと肩関節に開き負荷がかかりますので、肩幅程度にするのがベストです。
足と手をついて構えたら、肩甲骨をしっかりと寄せて身体を下ろしていきますが、肩甲骨の寄せ方が甘いと肩関節に負荷がかかりますので、必ず肩甲骨は寄せたまま動作を行ってください。
そして、上腕が床と平行になるまで下がったら身体を押し上げていきます。平行になる以上に深く身体を下ろすと、肩関節に開き負荷がかかりますので、下ろす深さには十分に注意しましょう。
なお、本種目は肘を開き気味に動作を行うと上腕三頭筋の外側・短頭に、肘を閉じ気味に動作を行うと上腕三頭筋の内側・長頭に負荷がかかります。
【正しいやり方と手順】
①足を台などの上に置き、手を肩幅程度にして身体の後ろ側について構える
②肩甲骨を寄せ、上腕が床と平行になるまで下がる
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま身体を押し上げる
●チューブキックバック

チューブキックバックは上腕三頭筋長頭に集中的な効果があるゴムバンド筋トレです。
チューブキックバックはトレーニングチューブの中央部を足で踏み、両端を手でグリップし、前傾姿勢を作って構えます。
そこから後方に肘を伸ばしていきますが、この時に肩関節を動かないようにすることが大切で、肩関節が動いて肘が前後するような動作で行うと、負荷が背筋群に分散してしまいますので、しっかりと肘の位置を固定して肘から先だけで動作を行ってください。
また、肘を伸ばした位置で、手の平が外を向く方向に手首を回内させると、上腕三頭筋長頭が完全収縮して効果が高まります。
【正しいやり方と手順】
①トレーニングチューブの中央部を足で踏み、両端を手でグリップし、前傾姿勢を作って構える
②肩関節を動かさないように気をつけて、肘から先だけを伸ばす
③肘を伸ばした位置で、手の平が外を向く方向に手首を回内させ上腕三頭筋長頭を完全収縮させる
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
■背筋群の自宅ガリガリ→細マッチョ筋トレ
●斜め懸垂

斜め懸垂は、懸垂ができない方におすすめの低強度バリエーションです。
斜め懸垂は、いかに背筋群を完全収縮させて追い込むかが重要で、このためには胸を張り、腕の力ではなく背中の筋力で身体を引き上げることが大切です。
胸を張って、背すじを伸ばして構えたら、腕を引いて身体を引き上げていきますが、この時に肩甲骨を寄せながら動作してください。
肩甲骨を寄せずに動作を行うと、腕の筋力で動作することになり、背筋群まで負荷が届きにくくなります。
そして、身体を十分に引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させます。この時に顎を上げるような動作を加えると、さらに背筋群が強く収縮して効果が高まります。

なお、器具類がなくても、この動画のように机を流用して行うことも可能です。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り、背すじを伸ばして構える
②肩甲骨を寄せながら身体を引き上げる
③十分に身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
●チューブラットプル

チューブラットプルダウンは広背筋に効果があり、逆三角形の身体作りに有効なゴムバンド筋トレです。
チューブラットプルダウンは頭よりも高い場所にトレーニングチューブの片側を設置し、「上から腕を引く」状態をつくり、手にトレーニングチューブをグリップして構えます。
高い場所にトレーニングチューブを取り付けることができない場合は、前傾姿勢をとったり、床にうつ伏せになり「頭側から腕を引く」状態を作れば、それでも構いません。
構えたら肩甲骨を寄せながら腕を引き下げていきます。肩甲骨をしっかりと寄せないと、背筋群に負荷がかからず腕にばかり効いてしまいますので、常に肩甲骨を寄せるイメージを持ってトレーニング動作を行ってください。
腕を十分に引き寄せたら、顎を上げるとともに肩甲骨を寄せきり広背筋を完全収縮させます。
そこから同じ軌道で元に戻りますが、この時にゆっくりとした動作で広背筋にエキセントリック収縮(伸長性収縮)をかけることも大切です。
なお、本種目は手幅によって効果のある筋肉部位が変化しますが、それは以下の通りになります。
◯ワイドグリップチューブラットプル
肩幅より広い手幅で行うバリエーションで、広背筋側部に有効です。
◯ナローグリップチューブラットプル
肩幅より狭い手幅で行うバリエーションで、広背筋中央部に有効です。
【正しいやり方と手順】
①頭より上から腕を低く状態を作り、手にトレーニングチューブをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていく
③腕を引き寄せたら、顎を上げ、肩甲骨を寄せきり広背筋を完全収縮させる
④ゆっくりとエキセントリック収縮をかけながら元に戻る
■上腕二頭筋の自宅ガリガリ→細マッチョ筋トレ
●逆手懸垂

逆手懸垂は、背筋群だけでなく上腕二頭筋を鍛えて腕を太くするのにも最適な自重トレーニングです。
逆手懸垂は背筋群にも有効なトレーニング方法ですが、背筋群を集中的に鍛えるのであれば、順手懸垂やパラレル懸垂が有効です。
ですので、本記事では逆手懸垂を「上腕二頭筋を鍛える自重トレーニング種目」として解説します。
上腕二頭筋を狙って逆手懸垂をする場合、背筋群狙いの懸垂系トレーニングと大きく異なるのが「肩甲骨を寄せずに動作をする」ということです。
一般的な懸垂系トレーニングでは、背筋群を完全収縮させ、負荷を上腕二頭筋に分散させないために肩甲骨を寄せることを強く意識しますが、上腕二頭筋を鍛える場合では、あえて肩甲骨を寄せずに腕に負荷を集中させます。
ですので、上腕二頭筋狙いの逆手懸垂は、背中を丸めたまま腕の筋力だけで身体を引き上げていきます。
また、上腕二頭筋を完全収縮させるため、肘は曲げきり、身体を下ろす時もできるだけ重力に耐えながら、上腕二頭筋をエキセントリック収縮(伸長性収縮)で追い込みます。
【正しいやり方と手順】
①肩幅より狭い手幅でバーを逆手でグリップする
②背中を丸め、肩甲骨を寄せずに腕の筋力だけで身体を引き上げる
③重力に耐えながらゆっくりとした動作で、上腕二頭筋にエキセントリック収縮をかけながら元に戻る
●チューブカール

チューブカールは上腕二頭筋に有効なゴムバンド筋トレです。
チューブカールは、トレーニングチューブの中央部を足で踏み、両端を手でグリップして構えます。
そこから肘を曲げていきますが、この時に肘を固定して肩関節を動かさないよにすることが大切です。肩関節が動いて肘が前後してしまうと、負荷が僧帽筋に分散してしまいますので、しっかりと肘の位置を固定し、肘から先だけで動作を行ってください。
また、肩関節を動かさないだけでなく、上半身を反らさないようにすることも重要で、上半身を反らせて動作を行うと、負荷が僧帽筋に逃げてしまいますので、直立姿勢を保ってトレーニングするようにしましょう。
肘を曲げてトレーニングチューブを引き上げたら、その位置で手首が外を向く方向に回外回旋を加えると上腕二頭筋が完全収縮して効果が倍増します。
上腕二頭筋を完全収縮させたら、そこから肘を伸ばしていきますが、本種目は肘を曲げてコンセントリック収縮(短縮性収縮)で効かせることと同じくらい、ゴムの張力に耐えながらエキセントリック収縮(伸長性収縮)をかけて肘を伸ばしていくことも重要です。ゆっくりとした動作で効かせてください。
ちなみに、両手を同時に動かすと、どうしても上半身が反ったり肩が動いてしまうという方には、左右の腕を交互に動かすオルタネイトスタイルがおすすめです。
なお、本種目はグリップ方法によりいくつかのバリエーションがありますが、それは以下の通りです。
◯ノーマルグリップ
手の平が上を向くグリップで行うバリエーションで、上腕二頭筋内側の短頭に有効です。
◯ハンマーグリップ
手の平が向き合うグリップで行うバリエーションで、上腕二頭筋外側の長頭に有効です。
◯リバースグリップ
手の平が下を向くグリップで行うバリエーションで、前腕筋群に有効です。
【正しいやり方と手順】
①トレーニングチューブを足で踏み、手で両端をグリップして構える
②肘の位置を固定し、肩を動かさず、上半身を反らせずに肘を曲げていく
③肘を曲げた位置で、手の平が外を向く方法に手首を回外回旋させて上腕二頭筋を完全収縮させる
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
■腹筋と腰の自宅ガリガリ→細マッチョ筋トレ
●バックエクステンション

バックエクステンションは、自宅で器具なしで脊柱起立筋を鍛えられる自重トレーニング種目です。
バックエクステンションはうつ伏せになり、構えます。この時に手の置き方により強度がかわり、手を腰のほうに伸ばすと強度が低くなり、手を前方に伸ばすと強度が強くなります。
標準的な強度で行う場合は、動画のように手を頭の後ろで組んでください。
構えたら、そこから上半身を起こしていきいきますが、腰に負担がかからないように、反動を使わずコントロールした動作で上半身を起こします。
上半身を起こしたら、その位置です一旦静止し、脊柱起立筋を完全収縮させてから元に戻ります。
元に戻ったら、再び上半身を起こしていきますが、勢いを使わずに確実にコントロールした動作で折り返しを行ってください。
【正しいやり方と手順】
①うつ伏せになり構える
②上半身を起こし、一旦静止する
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
④反動を使わずに、再び上半身を起こしていく
●カールアップクランチ

カールアップクランチは、腰に負担の少ない腹筋運動で、自宅でも簡単に取り組むことができます。
カールアップクランチは、仰向けになり膝を90度に曲げて構えます。膝を曲げるのは、動作中に腰が反って腰椎に負担がかかりにくくするためです。
構えたら、息を吐きながら上半身を起こしていき、最後に息を吐ききると同時に顎を引いて腹直筋を完全収縮させます。
そして、再び身体を下ろしてから同じ動作を繰り返しますが、この時に反動を使ったり、腰を反らせて勢いをつけると、腰椎に強い負担がかかります。
確実にコントロールした動きで、反動を使わないように気をつけてください。
【正しいやり方と手順】
①仰向けになり膝を曲げて構える
②息を吐きながら上半身を起こしていく
③上半身を起こしたら、息を吐ききり顎を引いて腹直筋を完全収縮させる
④ゆっくりと元に戻る
⑤反動や勢いを使わずに再び上半身を起こす
●レッグレイズ

レッグレイズ(足上げ腹筋)は下腹(腹直筋下部)に集中的な効果のある自重腹筋トレーニングです。
レッグレイズ(足上げ腹筋)は、仰向けになり足をやや浮かせて構えます。この足は、腹筋のテンションが抜けないようにセット中は床につけないようにします。
構えたら、息を吐きながら足を上げていき、45度程度の高さに上げたら、息を吐ききり顎を引いて腹直筋下部を完全収縮させます。
そこから再び足を下ろしていき、再び足を上げていきますが、この時に腰を反らせたり、反動を使ったりせずに動作を折り返してください。
腰が反った状態で反動動作を行うと、腰椎に強い負担がかかりますので、折り返し位置では一旦足を静止し、確実に筋力だけでコントロールして動作を行いましょう。
【正しいやり方と手順】
①仰向けになり足をやや浮かせて構える
②息を吐きながら足を上げていく
③足を45程度の高さに上げたら、息を吐ききり顎を引いて腹直筋下部を完全収縮させる
④ゆっくりと元に戻るが、足は床につけない
⑤反動を使わないように、再び足を上げていく
●チューブサイドベント

チューブサイドベントは腹斜筋に集中的な効果があるゴムバンド筋トレです。
チューブサイドベントの最大のポイントは、大きな動作で腹斜筋を最大伸展・最大収縮させることです。
ゴムの張力を横腹にかけながら、最大限横腹を伸ばし、そこから元に戻ります。この時に反動を使って動作を行うと腰に負担がかかりますので、折り返し点では一度静止するくらいの丁寧な動作を行ってください。
なお、一回ごとに身体を曲げる角度を前後に変えていくと、まんべんなく腹斜筋が鍛えられて有効です。
【正しいやり方と手順】
①トレーニングチューブを片手でグリップして構える
②上半身を大きく横に曲げていく
③最大限に上半身を曲げたら、そこから反動を使わないように気をつけて元に戻る
■下半身の自宅ガリガリ→細マッチョ筋トレ
●自重スクワット

自重スクワットは自宅で器具なしで、簡単に高負荷で下半身を鍛えられる自重トレーニングです。
自重スクワットは下半身に対して非常に効果の高いトレーニングですが、やり方を間違えると腰や膝を痛めるリスクがありますので、事前に十分にフォーム練習を行ってから取り組んでください。
自重スクワットは、まず胸を張り、背中が丸まらないように背筋を伸ばして構え、そこからしゃがんでいきます。背中が丸まった状態で行うと、腰を痛めるリスクがありますので注意しましょう。
しゃがむときは、膝関節に負担がかからないよう、膝がつま先より前に出ないことを意識し、お尻をやや突き出して斜め後ろにしゃがんでいきます。
ちょうど、椅子に座る軌道と動作をイメージしてください。
また、膝がつま先の方向を常に向いていることも大切で、つま先と膝の向きが違うと膝関節に捻れ負荷がかかります。必ず膝とつま先の向きは揃えましょう。
そして、太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、そこから立ち上がっていきますが、この時に顎を上げて上を見るようにすると、背中が丸まらずに正しいフォームになります。
なお、自重だけでは負荷が足らない場合は、トレーニングチューブやダンベルを併用することで、さらに高負荷・高強度にすることが可能です。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り、背筋を伸ばして構える
②膝がつま先より前に出ないように意識し、お尻をやや突き出して斜め後ろにしゃがむ
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、上を向いて立ち上がる
●ワイドスクワット

ワイドスクワットは、足を大きく開いて行うスクワットのバリエーションです。
ワイドスクワットは、足を肩幅より大きく開き、胸を張り、背すじを伸ばして構えます。
そこからしゃがんでいきますが、通常のスクワットが斜め後ろにしゃがむのに対し、本種目は真下にしゃがんでいくのが特徴です。
しゃがむ時に注意したいのが、膝関節保護のために「膝をつま先より前に出ない」ことと「膝を常につま先の方向に向ける」ことです。
特に、内股動作や外股動作になると、膝関節に捻れ負荷がかかりますので十分に注意してください。
なお、本種目は自重だけで行っても構いませんが、トレーニングチューブやダンベルを併用することで負荷を高めることができます。
【正しいやり方と手順】
①足を肩幅より大きく開き、胸を張り、背すじを伸ばして構える
②肘がつま先より前に出ないようにに気をつけるとともに、膝がつま先と同じ方向を向くようにしゃがむ。
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、そこから立ち上がる
●チューブレッグエクステンション

チューブレッグエクステンションは太もも前側に集中的な効果があるゴムバンド筋トレです。
チューブレッグエクステンションは椅子などに座り、足にトレーニングチューブをセットして構えます。
そこから膝を伸ばしていきますが、この時に上半身を後ろに傾けてしまうと腹筋群に負荷が分散してしまいますので、上半身は床と垂直に保ってください。
そして、反動を使わないように膝から先だけを動かしてつま先を引き上げていきます。膝が伸びたら、その位置でつま先を手前に向ける動作を加えることで、大腿四頭筋が完全収縮して効果が高まります。
また、本種目は膝を伸ばす時のコンセントリック収縮(短縮性収縮)だけでなく、膝を曲げて元に戻る時にもゆっくりとした動作で大腿四頭筋にエキセントリック収縮(伸長性収縮)を加えることも重要です。
【正しいやり方と手順】
①椅子などに座り、足にトレーニングチューブをセットして構える
②上半身を床と垂直に保って膝を伸ばし、つま先を引き上げていく
③膝が伸びたら、つま先を手前に向ける動作を加えて大腿四頭筋を完全収縮させる
④ゆっくりとエキセントリック収縮をかけながら元に戻る
●チューブレッグカール

チューブレッグカールは太もも裏側に集中的な効果のあるゴムバンド筋トレです。
チューブレッグカールはうつ伏せになり、足にトレーニングチューブをセットして構えます。
そこから膝を曲げていきますが、この時に腰を反らせてしまうと負荷が背筋群に分散してしまいますので、上半身は反らさないように注意し、膝から先だけで動作を行ってください。
膝を90度に曲げたら、その位置でつま先を伸ばす動作を加えることで、ハムストリングスが完全収縮して効果が高まります。
また、本種目は膝を曲げる時のコンセントリック収縮(短縮性収縮)だけでなく、膝を伸ばして元に戻る時にもゆっくりとした動作でハムストリングスにエキセントリック収縮(伸長性収縮)を加えることが大切です。
【正しいやり方と手順】
①うつ伏せになり、足にトレーニングチューブをセットして構える
②上半身を反らさないように注意し、膝から先を曲げていく
③膝を90度まで曲げたら、つま先を伸ばしてハムストリングスを完全収縮させる
④ゆっくりとエキセントリック収縮をかけながら元に戻る
■具体的な一週間の自宅ガリガリ→細マッチョ筋トレ
●週1回目の自重トレーニング
①膝つき腕立て伏せを2~3セット+チューブチェストフライを1~2セット②パイクプッシュアップを2~3セット+チューブアップライトローを1~2セット
③ベンチディップスを1~2セット+チューブキックバックを1~2セット
④カールアップクランチを1~2セット
⑤レッグレイズを1~2セット
⑥チューブサイドベントを1~2セット
●週2回目の自重トレーニング
①自重スクワットを2~3セット
②ワイドスクワットを2~3セット
③チューブレッグエクステンションを1~2セット
④チューブレッグカールを1~2セット
②ワイドスクワットを2~3セット
③チューブレッグエクステンションを1~2セット
④チューブレッグカールを1~2セット
●週3回目の自重トレーニング
①斜め懸垂を2~3セット+チューブラットプルを1~2セット②逆手懸垂を2~3セット+チューブカールを1~2セット
③バックエクステンションを2~3セット
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ダンベル筋トレ|三頭筋の筋トレ
マシーン筋トレ|二頭筋の筋トレ
バーベル筋トレ|腹筋群の筋トレ
筋肥大筋トレ法|下半身の筋トレ
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自宅筋トレ方法|大胸筋の筋トレ
自重筋トレ方法|背筋群の筋トレ
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バーベル筋トレ|腹筋群の筋トレ
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■自宅筋トレの器具グッズ
●プッシュアップバー

手首を真っ直ぐに保つとともに、可動範囲を広げて筋トレ効果を倍増させるのがプッシュアップバーです。当ジムでは、構えたときに手首がバーに対して垂直になる、人間工学に基づいたこちらの傾斜タイプを使用しています。
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当ジムで使用しているプッシュアップバーのご紹介
●自宅用懸垂器具

自宅で広背筋側部を鍛えて逆三角形の身体を目指すうえで欠かせないのが懸垂です。自宅用懸垂器具には簡易型のドアジムタイプから本格チンニングラックまで、さまざまなタイプがあります。
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おすすめの自宅懸垂器具・装置の比較およびご紹介
●トレーニングチューブ

トレーニングチューブは単品で買い揃えると割高になるので、こちらのような複数の強度のものがセットになったタイプがおすすめです。
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当ジムで使用しているトレーニングチューブのご紹介
●ダンベルセット

家庭用ダンベルには、アジャスタブルダンベル・アーミーダンベル・ラバーダンベルなどがあり、それぞれの目的・環境にあわせてお選びいただくことをおすすめします。
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当ジムで使用している各種ダンベルのご紹介
●リストラップ

手首を補助し、効率的なプレス系トレーニングに必須とも言えるのがリストラップで、目的・レベルに応じてさまざまなタイプがあります。
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おすすめのリストラップ|武器屋・鬼&GLFIT公式
●エイトストラップ&パワーグリップ

握力を補助するトレーニング用品として、圧倒的なサポート力のエイトストラップやクイックな装着が魅力のパワーグリップなどがあり、プル系トレーニングのマストアイテムです。
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おすすめのエイトストラップ&パワーグリップ|武器屋・鬼&GLFIT公式
●トレーニングベルト

腰を物理的にサポートするだけでなく、腹圧を高めて最大筋力を向上させるトレーニングベルトは、筋トレにおいて最も重要なアイテムで、目的・レベルにあわせてさまざまなタイプがあります。
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おすすめのトレーニングベルト|武器屋・鬼&GLFIT公式
●エルボースリーブ

多くのトレーニーが抱える悩みが肘の問題ですが、こちらのエルボースリーブは並行巻きからX巻きまででき、個人にあわせたサポートが可能です。
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おすすめの肘サポーター|武器屋・鬼&GLFIT公式

■BUKIYAグッズのご紹介

筋トレにおすすめの器具グッズ類は、下記の記事でさまざまなタイプがご確認いただけます。
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【筋トレにおすすめの器具グッズ】自宅用からジム用までご紹介

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